今週の「Athlete News」は、車いすテニスプレーヤーの田中愛美選手にお話を伺いました。
田中選手は、現在20歳。日本ランキングはシングルス4位、ダブルス5位、東京でパラリンピックが開かれる2020年には24歳になります。今後の活躍が期待されるホープです。
──先日、有明で開催された国別対抗戦「ワールドチームカップ」の日本代表として初めて選ばれたんですよね。
国別対抗戦はどうでしたか?
まず、テニスで団体戦というのが、この国別対抗戦くらいしか機会がないので、その雰囲気も初めての経験でした。
世界のトップ選手たちと対戦できるということで、私が出場した2試合は勝つことはできなかったんですけど、普段ヨーロッパで活躍する選手と試合ができたのはいい経験になりましたね。
──世界のトップ選手はどうでしたか?
自分はシングルスで出させていただいたときに、相手をどうこうしようみたいな感じで考えてやっていた部分もあったんですけど。
相手は17歳のロシアの選手だったんですけど、”自分が何をやりたいか”というのをやっている、自分が確立されてる感じで、そこは全然違うなと感じました。
──田中選手は、どういったところを強みにされているんですか?
どちらかというと、ハードヒットの方なんですけど。日本の選手でハードヒットはあまりいなくて、体格もヨーロッパの選手に劣ってしまうので、なかなか力では勝っていけないんですけど。それでもスピードを生かしていけたらなと思って練習しています。
──初めて車いすテニスをした時はどんな感じだったんですか?
もともと、立っている時も硬式テニスをやっていて、ケガをして車椅子になったんですけど。
それまでやっていた健常者のテニスと、車椅子のテニスにギャップがありました。
まず、車椅子を両腕で動かして、なおかつ手にはラケットを持って打たないといけないというのが、初めは出来なかったんです。
──まずは車椅子の操作の練習から始めるんですか?
ラケットを握ったまま操作する練習がとにかく必要で、どれだけ自由に動かせるかというところですね。
──ルールにも違いはあるんですか?
違いは2バウンドしていいか、いけないかというところです。それだけで、コートとか道具は基本的に一緒なんですね。
──普段の練習環境っていうのはどうなんですか?
私が練習させていただいている所沢市は、市の理解も良くて、市営のコートも使わせていただいてます。
拠点であるブリヂストンテニスハウスの方も、テニススクールなんですけど、受け入れもしていただいてて、コーチにも付いていただいて教えてもらっています。
私自身は、すごくいい環境で練習させていただいてるんですけど、そういう環境はどこにでもあるわけではないんです。
練習するために、車で2時間以上かけて練習場所まで行く人もいるんです。
──テニスコート自体があれば出来るというわけではないんですか?
テニスコート自体があれば、車椅子とラケットを持っていけばいいんですけど。
──それが許してくれるコートがあるかどうかということですよね
そうですね。あとは、入るにあたって段差がないだとか、そういう部分も大きいですね。
車いすテニスを教えられる指導者が少ないんです、残存機能と言って、体の機能がどこまで残っているのか、人によって違うので専門知識も必要になってくるんです。
──4年後、東京でパラリンピックが行われます。いろんな人に知ってもらうきっかけにしたいですよね
東京オリンピック・パラリンピックがスタートだと思って、そこから広めていけたらいいんじゃないかと、いつも思っています。
──そのとき田中選手は24歳ですけど、目標とかあったりするんですか?
私も東京パラリンピックに出場して、有明のセンターコートで戦って、今度は勝つところを日本の皆さんに見てもらいたいと思います。
──毎回、ゲストの方のお気に入りの一曲を伺っています。 田中選手が試合前に聞いている曲や支えになっている曲を教えてください
MUSH & Co.の「明日も」という曲です。大原櫻子さんの曲をけっこう聴いていて。
映画の主題歌になっていて、自分がアップテンポの曲だったり、頑張ろうと思える曲なので試合前とかに聴いています。
──最後にリスナーの皆さんにメッセージをお願いします
障害者スポーツというのは、まだまだ認知度も低くて、ご存じない方もたくさんいらっしゃるとは思いますが。
2020年に向けて、私たちもたくさん努力してまいりますので、見かけたら声をかけていただいたり、見ていただいたりしてほしいと思います。
よろしくお願いします!