今週の「Athlete News」は、陸上・十種競技の元日本チャンピオンで、数々の猛獣と戦うシミュレーションで2万戦無敗!“百獣の王”武井壮さんです。
数々の強敵を倒してきた武井さんが唯一勝てないのが、ハンマー投げの室伏選手なんだそうです。
聞くところによれば、170戦して全てドローだそうです。武井さんも認める室伏選手の凄さも伺いました。
──現在はどんなトレーニング、競技をされているんですか?
陸上は去年、世界マスターズっていう40歳以上のおじさんの大会なんですけど、そこで世界一がとれたので、
日本一になった時よりも、より大きな反響をいただいて、皆さんに応援していただけたというのがありました。
いまは新たな競技にチャレンジしてまして、ボーリングとビリヤードとゴルフのプロのテストを2年ずつくらいかけて、全部とっていこうと思っています。
──練習を始めているのはありますか?
いま、ビリヤードを日本ランキング1位の選手に教えてもらっています。
一番早くそこに辿り着きたいので、一番プレーの仕方をわかってる人に教わるのが僕の流儀なので。
──十種とは正反対の競技じゃないですか?
十種競技も、他のスポーツも全く同じなんですよ。走るっていうのも、技術を占める割合が大きくて、技術が9割、フィジカルの部分が1割くらいだと思っていて。
基本的には物理なので、100mはだいたい50歩くらいで走るんですけど、スピードの曲線ってずっと変わるわけですよ。
ということは、地面に加える力も50歩全部違うっていうことなんです。そんなこと考えてる人って、なかなかいないんですよね。
──筋量で決まってくるパワーってあるじゃないですか?
筋量はトレーニングで作れるんです。フィジカルの強さは、きちんとしたトレーニングをして、きちんとした栄養素をとってリカバリーすれば、誰でも強くなってきます。それプラス、技術なので。
技術がないと、その筋力だけで強くならなきゃいけないから、すごい才能の部分が大きくなっちゃうんですよ。
小さい頃に、すごい外で遊ぶのが好きだった子と、部屋にいるのが好きだった子が一緒に走ったら、それは外で遊んでる子が速いに決まっていますからね。
物が動くには、すべて理があるんですと。逆に、それがわからずにスポーツをやるっていうのが、どれだけ危険かっていうこと、筋力勝負、才能勝負だけの世界に自分が身を置いてしまうのが、不安定なことなんだよっていうことを僕はスポーツ選手に伝えたいです。
ただ単に体が強いだけでチャンピオンなれるものでもないし、チャンピオンになったからといって、社会で価値を得てライフワークにできるかっていうのは、また別の話だから。勉強もしないといけないし、正しく伸びる知識と技術を持って、スポーツを始めることが大事だと思います。
それを大人があまり知らない、トレーニングの仕方とか、そういったところを、僕がいつかトップアスリートと並べるような成績を出せるような男になれたら、広めていけたらいいなっていう思いはありますね。
自分の人生をギャンブルにしないように、スポーツを楽しいツールとして楽しむためには、世の中のこととかも勉強しておかないと。自分の競技が10年やった先に、どういう社会的価値を持っているのかっていうのも、大人が教えてあげないといけないですよね。
僕がいま新しいスポーツにチャレンジしてるのも、”この歳からできるよ”っていうメッセージなので、僕の今のお仕事ってありがたくて、いろんなジャンルの方と交わることができて、その中心にスポーツがあって。いま、若いアスリート達が、僕のところに声をかけてくれるようになったので。
こういう力を生かして、よりスポーツとかアスリート達が、社会でより幅広く、強く活躍できるような土台が作れたらいいいなと思いますね。
──毎回、ゲストの方のお気に入りの一曲を伺っています。武井壮さんがトレーニング中に聞いている曲や、支えになっている曲を教えてください
いきものがかりさんの「涙がきえるなら」という曲ですね。
僕が全然何もなかったときから、だんだん沢山の人に見てもらえる価値を手に入れてこられた頃に、番組でお会いさせていただいて「あの時に、救われたんです」っていうお話をして……。
──デビュー前のいきものがかりを見て知ったんですよね
そうなんです。日本に対して拗ねてた自分を方向修正してもらって、”もう一回頑張ろう!”と思わせてもらったのが、デビュー前のいきものがかりさんなんです。
そこからの歴史があって、出会って、だんだん仲良くなり始めた頃に作っていた曲だったので。よく家で聴いて、”頑張ろう!”と思っていました。
──いくつになっても進化し続ける武井壮さんから、挑戦すること、スポーツの楽しさについてお願いします
自分自身の人生で進化することができると思うので、今日できないことを、明日の自分にできるようにさせてあげるための、プレゼントを毎日あげてるようなものなので。
──40歳超えたら、”あれができなくなった、これができなくなった”っていうこと、ありませんか?
それを、ほおっておかないことですかね。
毎日衰えを感じることもあるし、だけど、それを超えるほど新しい知識を手に入れたりとか、今でもできますし。
筋力だけじゃなくて、知ることで自分は強くなるし、幅も広がると思っています。
昔は、筋力だけでしかできなかったことが、他の部分のサポートでできることもあるようになるし、技術が上がれば、筋力が必要なくなっていくこともあります。
その上で、より強くなれるものも、また違う分野で手にいれます。
音楽にしてもね、いま、ピアノを始めたとこなんですよ。
──すごいですね、スポーツだけじゃなくて
地球に住んでるんだったら、地球の上の面積全部で「楽しい」って言える自分に育てていきたいっていうのがテーマなんですよ。
今後、地球上すべて笑顔で過ごせるように頑張っていきたいと思います。
来週も引き続き、武井壮さんにお話を伺っていきます。