今週の「ATHLETE NEWS」は、元バレーボール日本代表のスーパーエースで、北京オリンピックに出場した山本隆弘さんをお迎えして、お話を伺いました。
──お子さんの時から身長は高かったんですか?
僕は中学生のときに一気に、1ヶ月1センチペースで伸びましたね(笑)。
──バレーボールを始めたのはいつですか?
中学校2年生からですね、最初は陸上部で110mハードルをやっていました。
僕が選んだわけじゃなくて、指導者からやらされたんですけど。
やればやるほど嫌いになってですね(笑)、それで辞めましたね。
──その時期、身長も伸びたし、バレーボールをやってみようかと?
バレーボールを始めた理由は、部員が1人しかいなくて、このままだと廃部になるという話で、「名前だけでいいから入ってくれ」と言われたんですよ。
──それから練習は行われたんですか?
一応ボールを1個持って体育館に行ったら、女子が使ってるので。
ステージの上で練習していたんですけど、練習方法も分からず、女子の真似をしていたんですよ(笑)。
手がめっちゃ痛いじゃないですか、15分くらいで「もうやめよ」って(笑)。
教えてもらったのは、すべて高校からですね。
──現役時代は、2メートル1センチの長身とサウスポーを生かして、スーパーエースとして活躍されました。
そして、日本人バレーボール選手としてプロ契約を結んだのが初めてなんですか?
そうですね、僕が初めてです。
いまも、ほとんど実業団ですけど、僕がプロになってからは何名かはプロの選手が出てきたかなという感じですね。
──何かきっかけがあったんですか?
オリンピックに出たいという夢を持ちながらやっていたんですけど、社会人1年目のときに肩を痛めてしまって。手術しても復帰例がないという症状だったんです。
自分が社会人でやってると、”終わってから社会人に戻れる”という、甘えが出てしまうんじゃないかという中で、とことんバレーボールと向き合おうかなと思いました。選択肢がない中でチャレンジしたほうが、自分の性格上、合うんじゃないかと思ったんですよ。
──その後、自分の中で心境の変化はありましたか?
体と常に向き合うようになって、肩も手術をしないで。
本当は、「スパイク2本が限界だよ」と言われている中でも、13年間プレーできたのは自分がプロの意識を持って、バレーボールと向き合えたから出来たんじゃないかと思います。
──2013年に現役を引退されて、現在は解説者、Vリーグのアンバサダーを務めていらっしゃるそうですね
バレーボールで、自分が成長させてもらったという部分がありますから、何かしらの恩返しをしたいなという思いもあります。
それプラス、自分が主宰をした小学生の大会を作ったりしながら、恩返しができたらなと思っています。
──今日から、リオオリンピックへの切符をかけた最後の戦い、バレーボール世界最終予選が始まります。
この最終予選、山本さんもアテネ、北京、ロンドンと3大会のオリンピック出場をかけて戦われたんですか?
やりましたけども、本当は行きたくない場所ですよね(笑)。
ものすごくプレッシャーがかかるので、”勝たなきゃいけない!”という試合が常に続く中で、僕以外の選手も”逃げ出したい”という選手は何人もいましたね。
──日本女子代表、前回のロンドンオリンピックでは銅メダルを獲得しましたね
本当にいい成績を出してもらったんですけど、ただ最終予選は、女子の初めて見るような顔が青ざめていく試合を見ながら、ギリギリ出場権を得た戦いだったので、それが逆に良かったのかもしれないですね。
団結心が出たのかもしれないです。
──今年は4チームにオリンピック出場権が与えられるそうですが、手強い相手が揃っているんじゃないでしょうか?
日本だけの開催になってしまっているので、ヨーロッパのチームとかは、どこが行ってもおかしくないようなチームが来てますし楽な試合はないですね。
──特にライバルはどこになるんですか?
女子の場合は、イタリア、オランダが出てきてますから、リオで金メダルをとるのであれば、イタリア、オランダには勝たないといけませんからね。
──特に注目している選手はいますか?
僕はセッターの宮下選手が注目ですね。
4年前に出た選手、セッターの竹下選手とか、中道選手というベテランがいたんですけど、今回2名が外れた中で、
司令塔というポジションを宮下選手が補っている中で、どれだけチームを引っ張っていけるのかなっていうのが注目しています。
──セッターは独特なポジションですよね。
オリンピック最終予選を経験してない選手なので、その雰囲気に飲まれないのか、ちゃんと自分のプレーができるのかっていうのが、キーになってきますから。
1戦目、2戦目は日本が指定してる試合なので、きっちり勝つことによって選手にも落ち着きが出てくると思うので、きっちり2戦は勝ってほしいですね。
──オリンピックへの切符を勝ち取ってほしいですね
そうですね。きっちりと勝って、リオへの期待っていうものも膨らむ試合にしてほしいと思います。
間違いなくとってくれると思います、ただ、その中で”優勝していってほしいな”っていうのが、僕の願いですね。
──毎回、ゲストの方のお気に入りの一曲を伺っています。 山本さんが現役時代によく聞いていた曲や支えになっていた曲を教えてください。
僕は、ゆずの「栄光の架橋」がものすごくいいなと思っています。
北京オリンピック、バレーボール男子も16年ぶりに出場という中で、復活という部分を目指してやっていましたから。
それにものすごく似た歌詞がありましたからね。
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