今週の「ATHLETE NEWS」は、先週に引き続き、北海道日本ハムファイターズで2000本安打を達成し、現在は解説者としてもご活躍されている、稲葉篤紀さんをお迎えしてお話を伺いました。
──今シーズンの見どころを伺っていきたいと思います。まずはセ・リーグ、ジャイアンツはどうでしょうか?
高橋監督は選手でやっていましたので、選手からの信頼はあると思うんですよ。なので、”高橋監督のために頑張ろうじゃないか”という気持ちになると思います。
阿部選手がキャッチャーに戻るということで、野村監督が言っていたんですけど。阿部選手がいろんな経験をしてきたのに、その経験を生かさずにファーストに回ってしまったのが何でだ?と……やはり、キャッチャーでチームを引っ張っていくのが、一番いいんじゃないかということを言っていて。
今年、キャッチャーに戻るということで、またいい感じになっていくんじゃないかと思います。
──ピッチャーをぐいぐい引っ張っていく選手ですからね
それもまた、チームにとっていい方向にいくんじゃないかと思います。
──パ・リーグですが、ソフトバンクはいかがですか?
投手がしっかりしてますよね。残りの5球団はソフトバンクに勝たないと、優勝はできないのかなとなってくると思います。
──日本ハムはどうですか?
面白いですよ。ピッチャーも揃ってきましたし、野手も中田選手がいます。昨年のプレミアで思ったことは、中田選手の後に打つ選手が大事だなと思ったんですね。中田選手が6番打ってても、必ずチャンスで回ってくるんですね。
中田選手はそこでヒットを打っていたので、当然点に絡んでくるんですよ。そこで、点に絡んだもうひとつダメ押しというのが大事なんですよね。中田選手の後の選手が打てば、より点数が入るんですね。
中田選手は良いときは手をつけられないので、ここで敬遠されることもあります。ということは、次のバッターが打たないと点にならない。中田選手の後が非常に大事になりますね。
あと、大谷選手ですね。2年目に、ピッチャーとしてはちょっと頑張ったけど、バッターとしてすごく打った年で、今年が本当の二刀流の1年目なのかなと思います。
イチロー選手と昨年末に食事をさせてもらったときに、バッターとしてメジャーで見てみたいと仰っていましたね。それだけ、彼のバッティングには魅力があるんですよね。
──楽天はオコエ選手がドラフトで入りましたが、すぐ1軍で活躍するというのは難しいですか?
活躍するかどうかはわからないけど、面白い存在ですね。彼は、ピッチャーが投げる前に守備位置を動くんですよ。キャッチャーが構えて、ピッチャーがこの球を投げるであろうというのを予測しながら投げる時に動くんですよ。
──そういう選手はプロでもなかなかいないですか?
新庄さんくらいですね。
──じゃあ、オコエ選手も野球IDはかなり高いんですか?
高いと思います。足が速いですから、センター前ヒットで2塁までいきますからね。なかなかないですよ。
──盗塁はこわいものですか?
怖いですよ。アウトになるイメージをしたら絶対に無理です。
ポジティブじゃないとできないことなので、盗塁っていうのはポジティブが大事ですね。
──盗塁といえば、去年大きな話題になった「トリプルスリー」2人同時に達成しましたよね。
皆さん固定観念が良くなくて、体が小さいから、小さく打たないといけないんじゃなくて、体が小さくても飛ばせる能力を持った選手って、いっぱいいると思うんですよね。
──山田哲人選手のパワーのすごさは?
スイングスピードが速いです。”あ!”と思った時に、スイングスピードが速いので、少々ボールが芯から外れても体の回転で飛ばせるんですよ。
──打ち始めると止まらないですよね
いい選手って、好調が長いんですよ。スランプが短いんですよ。
スランプになったときは、”なんでスランプなのか?”自分を知っているし、どうやったらそのスランプを抜けだせるか、そういう気持ちの切り替えが上手いですよね。
──ゲストの方にお気に入りの1曲を伺っています。稲葉さんが現役時代によく聴いた曲、支えになっていた曲はありますか?
僕が現役時代、チャンスのときにかけていた曲なんですけど、Queenの「I Was Born To Love You」。
ファンの方達がメガホンを振ってくれるんですよ。それが終わって、稲葉ジャンプが始まるという流れになっていて。僕は最高の流れで打席に入っていけるんですよ。この曲は調子悪くても打たせてくれるんですよ。