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Athelete News
15.12.26
スポーツ界の行く末を見つめて
今週の「ATHLETE NEWS」は、スポーツライターの金子達仁さんをお迎えして、2015年のスポーツの話題を振り返っていただきました。


──今年の3月、ハリルホジッチ監督がサッカー日本代表の監督に就任しました。ここまでのハリルジャパンは、いかがですか?

100点満点で採点すると、5点くらいですかね。完成系を持ってこのチーム作りに入ったら、初手から大コケをして。いま現在、五里霧中な感じじゃないですかね。
今になって思うのは、一番大きかったのは遠藤を外したことだったと思います。

──年齢的なことを考えると、ロシア大会の時に…というのもありますよね

伊良部さんは、真っ直ぐが遅くなったら勝負できなかったですけど、下柳さんはいつまででも勝負できちゃったわけじゃないですか。
遠藤くんは山本昌であり、下柳タイプなんですよ。まだまだやれます。
シンガポール戦が唯一良かったというのは、柏木くんというレッズの選手を入れたんですよ。遠藤くんが抜けたことで完全に失われたものを、柏木くんが6、7割埋めてくれた、それで良くなったんですよ。それで、カンボジア戦で柏木くんを外したらひどいことになっちゃった。

──2016年は柏木選手にかけてみるっていうのもありますか?

ありでしょうね。ただ、彼も現状レギュラーではないですから、ヨーロッパ、南米であればファンやマスコミから「あいつを入れろ!」っていう大合唱が起こるわけですよ。
日本の場合は、”監督様が言うことに対してひれ伏している”状態が続いているので、「そろそろ、戻さんかい!ボケー」とでも、言っていいと思うんですよね。

──J1は11年ぶりに2ステージ制が復活になりましたが、これはどうですか?

サッカーの本質から言うと、1年間で決めたほうが良いなというのもあるので、消極的反対ですね。
しかし、チャンピオンシップが素晴らしかったので、本当に鳥肌モノの試合を観せてもらいましたので、賛成論者に転向しました(笑)。

──今年、金子さんが特に印象に残ったスポーツはありますか?

今年に関して言うと、ラグビーの南アフリカ戦で全てが塗りつぶされました。後半30分くらいから、ボロボロ涙が出てきちゃいましたよ。

──2019年に日本でラグビーワールドカップがありますから、この勢いは続くんじゃないでしょうか

続くんでしょうけどね、2019年のワールドカップ、消えちゃう可能性ありますよね。というのは、南アフリカ戦はものすごく感動したじゃないですか、なんで感動したかというと、一つの要素としては専用競技場で行われていたからだと思うんですよ。
つまり、日本の最後のトライ、カメラが追っていくとスタンドも映るわけですよ。総立ちになって、「いけー!」とやってるイングランドのファンや、みんなが総立ちになって「やったーー!」となってるわけですよ。
あれが、陸上トラックだったら何も映らないですよね。

──サッカーでも、同じことが言えますよね

2002年のサッカーワールドカップ、最後の試合って宮城スタジアムという陸上トラックのあった所だったんですね。
当時の日本代表監督だった、フィリップ・トルシエは、「あれが敗因だった」と言っていました。

──それほど、観客の熱が影響するんですね

熱が全く届かなかったんですよね。

──どの競技でも、専用がいいというのは言えることなんですか?

野球を陸上競技場でやったら、どうなりますか?と、逆に伺いたいですね。
野球部の少年は、都大会一回戦負けという球児であっても、野球場で試合ができるんですよ。サッカー選手の大半は、校庭で試合をするんですよ。

それは、ラグビーもそうです。ラグビー場、サッカー場でプレーしたことのある高校生サッカー選手、ラグビー選手、圧倒的少数派です。
土地がないと言いますけど、”この国は、ゴルフ場が一体いくつあるんですか?”と、僕は思いますし。やる気がないだけです。
ラグビーのワールドカップが2019年にありますが、このままだと、それこそ海老蔵くんに学校の体育館でやらせるようなものですよ。

──世界に発信しなければいけないのに、その器がない状態ですよね

サッカーとラグビーが手を組まないとダメですよね。オリンピックで勝つたびに、ワールドカップで勝つたびに、あれだけ皆さん熱狂する。経済効果がどうこうと言うなら、それをもっとコントロールして、生み出すシステムを作りませんか、ということですよね。
環境が良くなれば、強くなるんですから。

──毎回、ゲストの方にお気に入りの一曲を伺っています

ハードロックのバラードで、FireHouseというバンドの「Here For You」ですね。
僕はこの歳に至るまで、ヘビーメタルとハードロックしか聴かない人間なので、あと、昭和のアニソン(笑)。

──選手と音楽の話をされることはあるんですか?

ヘビーメタルがどんどん廃れていってる時代だったので、いろんな選手にヘビーメタル名曲集みたいなDVDを渡してましたけど、誰一人ハマってくれなかったですね(笑)。
中田英寿を口説き落とせば、なんとかなると思って、相当やったんですけど。あいつは、そういう音楽の力とか必要ないみたいですね(笑)。

Message

Circle of Friendsや藤木直人さん、高見侑里さんへのメッセージはこちらから。あなたのスポーツ体験と気分を盛り上げるためには欠かせないリクエスト曲をお待ちしています。