今週の「ATHLETE NEWS」は、先週に引き続き、元ラグビー日本代表でエースとして活躍した、大畑大介さんをゲストにお迎えしました。
今週は、4年後の2019年に開かれるラグビーワールドカップ日本大会に向けて、ラグビー日本代表のこれからについて伺いました。
ー日本の可能性、これからの強化について、 エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチは、帰国後の会見でこう語っていました
エディー・ジョーンズ:日本のラグビーは、本領発揮できていないと思っています。日本には優秀な選手が沢山いる。しかし、高校、大学、トップリーグチーム、高いレベルでパフォーマンスをする為の練習をしていない。規律を守らせる為の練習しかしていないので、これでは勝てないですね。
けれども、実際に日本人の選手の質は高いです。この先、正しい方向に進む為には日本のラグビーのマインドセットの変化が必要です。これによって、ラグビー選手の層が厚くなり、熱も上がる。結果的に強い代表ができます。しっかりしたプランニングと、それを遂行する力がないといけません。
ー日本伝統の練習の方法もあるんですか?
指導者の数も少ない、指導者自体のスキルアップをしていかないといけないというのはありますね。高校ラグビー、大学ラグビー、それぞれ素晴らしいものはあります。選手の伸びるスピードというか…、高校大会で終わって、大学で大会で終わってというとね、天井をどんどん高くしていかないといけないですね。伸びしろのある選手にとって、息継ぎって無駄だと思うんですよ。そのスピード感は大事で、いろいろ経験することでレベルが上がっていきますから。
だから、エディー・ジョーンズは、若い選手にいろいろ経験させているんですよ。高校生を呼んだり、肌でトップレベルの経験をさせることによって、選手が「こんなところで、安堵してちゃいけないんだ」と、そういうメッセージを伝えているんだと思います。
もっと若い選手にチャレンジを与えられる環境、いろんな地域で目に留まらなかった選手を、可能性があるなら呼んで、トレーニングをさせてあげられる環境は作っていかないといけないと思いますね。
ーこの4年間で、選手の世代交代はありますか?
今の選手がベースになってくるだろうと思いますけど、ヘッドコーチが変わると自分のやりたいラグビーも変わってきますし。やりたいラグビーの中での選手選考もあると思うので。このチームが完全にベースになるというのは、わからないですね。
ー世界一の練習量でここまで来てるというのは、この方針を守るべきなのか、ヘッドコーチのかカラーを出すのか、難しいところですよね
結果を残してるのは事実で、一つのモデルケースを作ってくれました。
次の世代の子たちも、才能だけであそこまでいくんじゃないというのは感じたわけですよね。しっかりとしたトレーニングをしないと、頭の中も含めて、すべてラグビーに対して100%の情熱を持って日々生活しないと、あそこに立てる権利を手に入れることができないと感じたと思いますので。
さらに目標値ができた中での、どうアプローチしたらいいのかを感じてもらえたと思います。
ー4年後のワールドカップは、日本で行われるという明確な目標がありますね
羨ましいですよね。16年のリオもそうだし、20年の東京オリンピック。
ラグビー選手にとって、どうなりたいんだとか、どういう風な存在になれば、どこに立てるのかっていう、明確なイメージが持てるというのは、自分自身が頑張れる源になると思うんですよね。
ーゲストの方のお気に入りの一曲を伺っています
今回、これからの日本代表というテーマでお話しさせてもらった中で言うと、2019年、これからチャレンジしていこうと思っているのは、今の世代で言うと高校生だと思うんですね。
全国大会が95回、記念大会になるんですね。今までチャンスの回ってこなかったような学校も全国大会にチャレンジできるという中で、そして、日本代表の活躍をもって、自分たちが目標にできるものっていうのが明確に見えたと思うんです。
その95回の高校ラグビー大会のテーマソングがスキマスイッチの「ハナツ」。この曲を聴くと、高校ラグビーというものを思い出してもらえば、嬉しいと思うんですよね。
ー最後に、今回のワールドカップで日本の歴史を変えたことで、”ラグビー選手になりたい!”という子供たちもいっぱいいると思います。 そんな子供たちにメッセージをお願いします。
自分の憧れや、なりたいものを見つけられるというのは、すごく幸せなことなんですよね。そういったものに対して、情熱というものが叶えられる重要なポイントだと思います。
「〜になりたいんだ」と言うのは、恥ずかしかったりすることもあると思うんですけど。自分自身が言葉に出すことによって、それが魂となって、エネルギーになることがあると思います。一番初めになりたいと思った情熱を忘れずに、自分の可能性を信じて、頑張ってほしいなと思います。